「オペラ座の怪人」
本日、読了。そしてDVD購入。
- 作者: ガストンルルー,Gaston Leroux,長島良三
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/02/25
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/08/26
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わずかですが、関連のものなどを見ています。
- ブロードウェイ・ミュージカル
- 劇団四季・ミュージカル
- 2004年版の映画(DVD)
- 原作本(角川文庫版)
- オペラ・ガルニエの見学
本当に好きな方には全然足元にも及ばないヘナチョコですが(^^;。
これしきでお恥ずかしいですが、少し語りを・・・。
ブロードウェイと劇団四季はほとんど同じです。
ニューヨークのブロードウェイが、
観客の反応(やりとり)すらを楽しんでやっているように見えたのに対して、
劇団四季は演出に対して、すごく真面目。
確かに完成度は高いのですが、決められたことをその通りやってるような、
一部のスキもなくて面白味にやや欠ける印象です(個人的な感想ですが)。
ミュージカル版と2004年映画版は、結構異なりますね。
ラウルと怪人の剣での対決シーンがあったり、
シャンデリアの落ちるシーンが
ミュージカル版では、幕間の関係かカルロッタのヒキガエル事件の辺りで、
映画版では最後の方「勝ち誇るドン・ジョヴァンニ」の辺りになっています。
個人的には、映画版の位置の方がスッキリしますね。
ミュージカル版では、一回落ちたシャンデリアが
「シャンデリアも新しくなったし」みたいなセリフで復活してしまうのですが、
そうなると、最初のオークションのシーンと繋がりにくくなると思うんですね。
やっぱり壊れる回数は一回の方がいいかなと・・・。
原作本とそれ以外のものは、もう違うところだらけです(笑)。
原作では、シャンデリアの落ちるシーンは
驚いたことにミュージカル版と同じ「カルロッタのヒキガエル事件」のあたりです。
こっちが原作通りだったとは・・・。
しかし、この時の演目は原作本では「ファウスト」でした。
この他原作が他と違うところを挙げると、ざっとこれだけあります。
- 新聞記者が、怪人に関する記事をまとめたとして描かれる
- ペルシャ風の猿の置物は登場しない
- ラウル(シャニュイ子爵)には兄・シャニュイ伯爵がいる
- ラウルが若くて、役に立たず非常に情けない(笑)
- クリスティーヌの行動・会話が、精神錯乱的だ(映画版もミュージカル版も分かりにくいですが・・・)
- クリスティーヌが、怪人を本当の”音楽の天使”だと思っており、生身の男だと怪人が告白してクリスティーヌに謝るシーンがある
- クリスティーヌが怪人の音楽の才能は愛し、怪人に同情していたが、怪人はそれを”醜い自分をそのまま愛してくれる人が現れた”と勘違いし、クリスティーヌもそれを利用しようとしていたフシがある。
- マダム・ジリーは、ちょっと間の抜けたオバサンとして描かれている(と思う)
- 怪人と対決しようとして、なおかつ実際に役に立ってるのは第三の人物である
- 怪人の経歴(フランス、ペルシャ、トルコ)が語られている
- 怪人の拷問部屋なるものがある(映画版で「マスカレード」の後、地下に逃げた怪人を追うラウルが入った部屋がその”拷問部屋”に近いが、原作では最後の辺りで主要な場面として登場する)
- 新任の支配人同士が、お互いが怪人用の2万フランを取ったのではないかと疑心暗鬼に陥るコミカルなシーンがある
- 最後は、ラウルとクリスティーヌは北欧の辺りへ駆け落ちをする(当時の身分制度では、子爵と踊り子の結婚は全く歓迎されなかったらしい)
細かく言えば、もっとあると思うのですが、
だいたいこんなもんです。
それぞれの版に、長所・短所があると思うので列挙して終わりとします。
「ブロードウェイ・ミュージカル」
・長所:観客と一体になってる感じがいい
・短所:思ったほど歌のレベルなどは高くない、劇場がいささか古い
「劇団四季・ミュージカル」
・長所:よく計算された演出で、それを常に高いレベルで維持している
・短所:真面目すぎて、面白味に欠ける
「2004年版の映画(DVD)」
長所:映像が圧倒的。マスカレードなどは秀逸
短所:怪人がただのストーカーに見える(笑)
「原作本(角川文庫版)」
長所:それぞれの立場がよく理解できる(特に怪人)
短所:表現が冗長な時がある。日本語訳にもいささか問題あり。
(三途の川とか、アパルトマンのことをマンションと呼ぶのは、
フランス的趣向をかなりそぐ。日本の一地方の話のようだ=笑)