読了『アヒルと鴨のコインロッカー』

読み終わました、一日で。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

もう話の次が気になって仕方ない小説でした。
ワタシ、この作者さんの文体好きなのかもしれません。
物語の運びもうまい。
ちょいと、ラストに比して風呂敷が大きい気もしますが・・・
面白かったです。
そして、ブータン行ってみたい(笑)。


途中に出てくる「シャローンの猫」の話。
はて、同じ話がヘミングウェイの短編集の中にあったような・・・と思って
調べてみましたが・・・ああ、これですね。

われらの時代・男だけの世界: ヘミングウェイ全短編 (新潮文庫)

われらの時代・男だけの世界: ヘミングウェイ全短編 (新潮文庫)

ヘミングウェイ全短編 われらの時代/男だけの世界』
この中の「雨のなかの猫」(6ページの短編)。
でも「シャローンの猫」とは違うところが多いですね。
「シャローンの猫」の方は、伊坂氏の創作なのでしょうか?
伊坂氏(仮に)「シャローンの猫」と比較して
ヘミングウェイ「雨のなかの猫」が違っているところ。

  • 男女は夫婦である
  • イタリアを旅行中のアメリカ人夫婦である
  • 夫婦に名前がない
  • 猫を拾いに行くのは妻
  • 妻が猫を探しに行ってる間、夫は本を読んでいる
  • 猫はいなかった(どこかに行ってしまった)
  • ホテルの支配人が別の猫を持ってくる

こうやって挙げて行くと随分違いますねぇ。
同じなのは、

  • 主要な登場人物が夫、妻、猫(ヘミングウェイ版にはホテルの支配人も主要)。
  • 夫と妻のすれ違いを描く

というところでしょうか。
全体的な雰囲気は似てるんですが。
こうやって考えると、伊坂版はヘミングウェイ版を元にしつつ
意味合いを含めて、改変した別物と考えた方が良さそうですね。