病院へ

ちょっと前から左半身にのみ発疹が出来るという
謎の症状に悩まされており、会社の先輩からは、
「左半身だけなんて・・・死病だ・・・」
とまで言われたので、病院へ行くことに。


ところが、これが混んでる混んでる。
朝から行ったにも関わらず2時間半待ち。
半休のつもりが全休に・・・。
(ウチの会社も時間休とかやるべきだ!)
そのお陰で病院内の雑誌とか読みまくり(^^;。


面白かったのは
「分子ガストロノミー」の話。(確か日経トレンディに掲載)
物理化学者エルヴェ・ティス氏とシェフのピエール・ガニエール氏などが、
取り組んでいる、いわば「料理を科学する」手法。


ワタシが最初にこれを見たのは、
テレビで、料理をするのにボンベの液体窒素とかを使ってる人がいて
「変わったことをするオッサンだなぁ」と
キワモノを見るような感じで見たのが最初だと思いますが、
どうもただのキワモノではなさそうな感じです。


記事に書いてあった内容は忘れたので(笑)、
よくまとまっている他の方のブログから参考引用(感謝です)。

マヨネーズを例にあげて考えてみましょう。

マヨネーズの作り方は、卵にお酢を加えたところに、サラダ油を少しずつ加えていくんですが

ポイントは、サラダ油を混ぜるときに、泡だて器でかき混ぜること。

卵とお酢に含まれる水分と、サラダ油の脂肪分がちゃんと混ざり合うように、手を休めることなく、つねにかき混ぜることが必要。

こうして何度も何度もかき混ぜることで、油の粒を細かく、細か〜くして、水と混ざりやすくしているんです。

マヨネーズを手作りしたことがある人ならご存知だと思いますが、この「かき混ぜる作業」がとっても大変なんですよね!

だったら、最初から油の粒が小さくなった状態のものを混ぜたら、かき混ぜる手間が省けるのではないか??

そう考えたエルヴェ・ティス教授は、サラダ油の代わりに、湯せんで溶かしたバターを代用。
湯せんしたバターは、あらかじめ油の粒が小さくなっているので、混ぜるのも楽チン。
そこに卵とお酢を加えれば、バター仕込みのマヨネーズの出来上がりです。

油の粒を細かくして、卵とお酢と混ぜる、という仕組みだけをみれば、サラダ油であろうと、バターであろうと、科学的にはどちらもマヨネーズ。
マヨネーズはサラダ油から作るものだ、と思い込んでいた料理人にとっては、ビックリかもしれませんね。

今までの料理のレシピとは、極論すれば「経験則」。
悪い言い方をすれば
「行き当たりばったりで出会った成功例を書きとめたもの」
と言えるかもしれません。
なんでそういう味になるのか?を料理人に問うても
「だって、そうなるんだもん」
としか答えられなかったのが、これまでの料理だとすると、
そこに科学的な研究を入れて行うのが
「分子ガストロノミー」というわけです(多分)。


そういえば、料理というのは身近でありながら、科学的な研究が
最も及んでない分野だったかもしれないなぁと思ったのが
面白さの第一点。


そして、現在はこの「経験則」ばかりのシェフが多い中で
もしかして、科学に基づいて、数式を発見するかのように、
新しい料理を”計算”するシェフが現れるかもしれないという期待が
面白さの第二点。


でも、そういうシェフが現れても世間の人気は従来型のシェフに
軍配を挙げるのでしょうけど・・・と思ったりはします。
人は、そういう科学的なものより人間的なものを好みますのでね(^^;。
野球で例えるなら「ID野球」と「根性野球」みたいなもんですが、
緻密に計算し研究し尽くした戦法が、
一人の天才やみんなの根性で打ち砕かれるストーリーは、
半永久的に支持されるのでしょうけど。
ワタシとしては「ID野球」も「根性野球」も両立して楽しみたいです。


最後に、日経トレンディの方には書いてあったかと思うんですが
例えば今まで”卵”を使わなくてはならないと思われていた料理が
科学的に検討した結果、他の材料でも同じ味が出せるとなると、
卵アレルギーの方に優しい料理が出来るわけです。
もしくは、生産不足の材料を使わなくても同じ味が出せるかもしれないし、
もしくは、カロリーを減らして同じ味が出せるかもしれない、
という可能性を感じられるところが
面白さの第三点。


そして、そこまで考えてふと
「今まで日本でも出てきてる低脂肪ヨーグルトとか
 カロリーゼロ*1のコーラも
 そういう意味では”分子ガストロノミー”なのでは?
 その手法が伸びてきて、トップ・レストランに反映されてきた
 というのが実態なのでは?」
と思い至ったのが、面白さの第四点(笑)。


とにもかくにもキワモノ扱いされないで
もう少しどこへ行くのか見てみたい「分子ガストロノミー」。
日本でやってるところを探して、行ってみようかなぁ。

*1:実際はゼロではありませんが