読了『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』

文章の・・・と言うか広告の書き方。

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方 (日経ビジネス文庫)

コピーライターになりたい方が入門として読むには良い本かと。


幾つもの名文と呼ばれる広告コピーが登場します。

「マンツーマンもあります」と、
「マンツーマンだけです」は、大きく違います。
    −英会話GABAの広告

も「おっ」と思わせて良いですが(何より簡潔)、
下の広告もなかなか。

紙クズは
もう一泊します。
   −帝国ホテル

大事なメモを間違って捨ててしまった場合に備えて
無駄かもしれませんが、帝国ホテルは
紙クズをすぐに捨てずにもう一泊取っておくと言う広告。


さらに秀逸なのは、この下のコピー。

死ぬのが恐いから
飼わないなんて、
言わないで欲しい。
    −日本ペットフード

これは大見出しでさらに広告が続きます。
これがまたいい。
犬を飼ったことのある人ならグッとくる文章です。
長いですが引用。

おうちを汚すから飼わないというなら、
犬はお行儀を身につけることができる。
留守がちだから飼わないというなら、
犬はけなげにも、孤独と向きあおうと努力する
かもしれない。貧乏だから飼わないというなら、
犬はきっといっしょに貧乏を楽しんでくれる。


だけど・・・死ぬのが恐いからって言われたら、
犬はもうお手上げだ。すべての犬は、永遠じゃない。
いつかはいなくなる。でもそれまでは、
すごく生きている。すごく生きているよ。
たぶん今日も、日本中の犬たちはすごく生きていて、
飼い主たちは、大変であつくるしくって、
幸せな時間を共有してるはず。


飼いたいけど飼わないという人がいたら、
伝えて欲しい。犬たちは、
あなたを悲しませるためにやっては来ない。
あなたを微笑ませるためだけにやって来るのだと。
どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を
預かってみるのは、人に与えられた、
素朴であって高尚な楽しみでありますよと。

以前、ワタシも犬を飼っていたことがあるので
グッと来るのかもしれませんが、良い文章です。


最後に軽いものを。

日常でたまった疲れは
日常でとれないと思う。


さ、非日常へGO!
旅は人をリフレッシュさせます。
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お見事。下のもなかなかいい(笑)。

昨年の教訓:休まないと、休まれる。


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広告学校の教師も勤めるという著者(コピーライターでもあります)の
学校で出している問題と言うのが、面白かったです。
最後まで美味しい本でした。

『似たものの違いの説明』
よく似てるけれど違うものの組み合わせを一組決め、
その違いを説明し、優劣をつけなさい。
ものでなくて、ことでもいい。
本文一行二十字×七行で書きなさい。

模範解答は本書でご確認下さい(^^)。