『ちょっとピンぼけ』読了。

ちょっとピンぼけ (文春文庫)

ちょっとピンぼけ (文春文庫)

伝説的な戦場カメラマン、ロバート・キャパの半自伝です。
キャパは、写真だけでなく文章もうまい!
これが溢れる人間的な魅力なのかもしれません。


「パリよ、俺だよ(セ・モア)」
「そのとき、キャパの手はふるえていた」
「くびになった写真家の悲哀」

目次だけでワクワクします。


前にウィーランによるキャパの伝記(下記)を読みましたので、
キャパが話を”盛って”いるところも良く分かりました。
例えば、一回目のパラシュート部隊との降下は、
キャパの脚色で、実際は降下はしていない・・・など。


それでも、この文章の艶っぽさは何でしょう。
戦場を駆け、怖いものは怖いと書き、
ポーカーをしては大負け。
時にロンドンへ戻って、女性とのロマンス。
重要な作戦があると聴いては戦場に戻り
ノルマンディ上陸作戦の部隊と行動を共にする・・・。


女性のくどき文句も恥ずかしげもなく書き(むしろ自慢げ)、
ヘミングウェイと喧嘩したことも、赤裸々に。
そして、ちょっとだけ自分を格好よく描く。


人間的な、あまりに人間的な写真家・キャパ。


彼がワタシのお祖父さん達の世代(ちょっと上?)と思うと
なんか親近感が湧いてきます。
どんな時代でも、人間らしさの魅力は変わらないです。


キャパ その青春 (文春文庫)

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キャパ その死 (文春文庫)

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