『チェーン・ポイズン』読了。

チェーン・ポイズン (講談社文庫)

チェーン・ポイズン (講談社文庫)

真面目な36歳の独身OL。
何も変化のない生活、ずっと続いていく変化のない未来。
容易に想像できる分だけ絶望的な未来。
普通に過ごせば無視されて、甘さを見せればつけ込まれ、
弱さを見せれば突き放される、そんな世の中が嫌になり自殺を考えた時。


 「本当に死ぬ気なら、一年待ちませんか?」


公園で出会ったスーツ姿の人に声をかけられる。
後、一年なら・・・と思うOL。
連続死の背景に「死のセールスマン」の影を追う雑誌記者。
OLと記者の話が交互に進むミステリー小説です。


前半は冗長な気がしますが、文庫版300ページあたりから面白くなってきます。
そこまで我慢してください(笑)。


どこか醒めたところのあったOLが、
約束の一年が迫る中、生きる意味を見出し熱を帯びてくるのが良いです。
やはり人間は人間の情熱に惹かれるのですね。


読後感は悪くないミステリーでした。