Newsweek

今号のニューズウィークを特集に惹かれて買いました。

「危ない航空会社ランキング」
300社もの航空会社を安全面から格付けするというもので、
興味をもってページを開きました。
(実際には「安全度ランキング」になっており、
 「危なくない航空会社ランキング」となっている)


日本の航空会社では、
43位=全日本空輸(87.73点)
がトップ。
ライバルのJALは、
52位=日本航空インターナショナル(87.13点)
となっておりました。


あ〜やはりANAの方が安全なのかぁと思うなかれ、です*1
今回のニューズウィークの採点方法では、
「提携度」
なるものが評価対象になっており、国際的なアライアンス、
スターアライアンスワンワールドに加盟してると点が高くなるようになっています。
スターアライアンスに加盟するANAは、「提携度」が3点となっており、
現段階では正式加盟していないJALは、「提携度」が2点。
JALは4月からワンワールドに加盟することが表明されておりますので、
そこに加盟すると「提携度」が3点に上がります。
(実際、ワンワールド加盟の航空会社は3点で評価されている)
その点を加味すると、

88.13点=日本航空インターナショナル
87.73点=全日本空輸

となりJALは39位に浮上、逆転する計算です。
しかも、過去12年のデータで10万便当たりの事故件数評価と
死傷者数を考慮して算出された「安全指数」はJALの方が高くなっています。


とはいえ、このニューズウィークの算定方法には問題もあり、
まず「日本航空インターナショナル」と子会社の「JALウェイズ」は
別々に評価されているので(ANAも同様に子会社は別評価)、
乗る飛行機によっては、同じ「JAL」や「ANA」ブランドでも
評価点が全然変わってきます。
また、重要と思われる

  • 「管制設備」
  • 「空港」
  • 「運航体制」
  • 「安全管理」

などは、要求レベルが低いのか上位30社は全て満点となっております。
(「運航体制」はIATAの安全監査プログラムに登録されていれば満点)
これは、製造業でISO9001を取得している会社は
全て品質が同じと言ってるようなもので、
松下電器の品質と、ウチの会社の品質が同じだと評価するような暴挙(笑)。
「んなワケない」と思うのは、ワタシだけではないと思います。


安全基準は最低ラインとしても、プラスアルファの部分を評価する
システムにして欲しかったかなぁ・・・と。
では、上位の差はどこでついているのかと言うと
「機体年齢」と「機種編成」でついているというのが実態であります。


まあ、そうして考えると
細かい順位の差は、特に気にするほどでもありませんし、
よほど下位でない限りは、似たりよったりと言えるかもしれません。
もっと積極的に、
座席にエアバッグを装備しているという
ヴァージン・アトランティック航空やキャセイ・パシフィック航空を
高く評価する方法を検討して欲しかったですね。
そして、やはり問題になりそうな整備外注の問題。
この辺りも評価の対象にして欲しかったです。


ちなみに、ランキングの最下位は


300位=アリアナ・アフガニスタン航空(0.0点)


0点って・・・(^^;。
日本の航空会社の最下位は、


186位=エアージャパン(67.53点)


まあ、こう書かれると気分は悪いでしょうが、
このランキング自体が、評価の仕方に問題がありそうですので、
そんな神経質になる必要はないと思います。


ランキングの最高位(1位)は・・・社名は書きませんが
あまり日本では馴染みがないかもしれません。
ワタシは一度だけ乗ったことがあるのですが、
どんな飛行機だったか、全く思い出せません(笑)。
まあ、基本的に「安全度」ランキングであって、
「満足度」ランキングではないですからね。
記憶には残らないけど、安全だったのかも・・・。
もっとこういう安全ランキングが
盛り上がっても良いですね。
「満足度」ばかりを見かけるような気がしますので。
そういう意味では、意義のある特集だったのかも(笑)。


ニューズウィークは、今号からデジタル版(ネットで見られる=有料)が
開始されたようですので、そちらからも見られるかも、です。

*1:ニューズウィークの記事の中にも、行き過ぎたバッシングによって航空会社の寡占が進んだ場合のデメリットについて記載があります