読了『饗宴』

確か二度目の読了。

饗宴 (岩波文庫)

饗宴 (岩波文庫)

以前、読んだ村上春樹さんの『海辺のカフカ』に
この本のことが出てきたので、再読したかったのですが
手元になかったので、ブックオフで購入。


読みたかったのは、『海辺のカフカ』文庫本の79ページ

プラトンの『饗宴』に出てくるアリストパネスの話によれば
 大昔の神話世界には三種類の人間がいた」
と大島さんは言う。
「そのことは知ってる?」
「知りません」と僕は言う。
「昔の世界は男と女ではなく、男男と男女と女女によって成立していた。
 つまり今の二人ぶんの素材でひとりの人間ができていたんだ。
 それでみんな満足して、こともなく暮らしていた。
 ところが神様が刃物を使って全員を半分に割ってしまった。
 きれいにまっぷたつに。
 その結果、世の中は男と女だけになり、
 人々はあるべき残りの半身をもとめて、
 右往左往しながら人生を送るようになった」

の箇所の元ネタ。


岩波の文庫78ページでした。
半分に割られた理由は、オリュンポスの神々に挑戦するようになったから。
人間を生かしながら、働き手を二倍にする手段として
人間を半分に割るということが行われた、とあります。
な〜んか、バベルの塔と近いものを思わせます。


しかも、まだ反抗的なら
さらに半分に割って一本足の生き物にしてやるとまで書いてある(笑)。
さすがギリシア神話の神々。やることは荒っぽい。
いや〜、二足歩行で留まって良かった(笑)。


それはさておき、
昔、男女であったものは割られた半身を求め
男は女を、女は男を求めるのに対して
男男は、男が男を求め
女女は、女が女を求める同性愛者になった、
というのは、これまた面白い。
いやいや、神話の世界の話ですがね。