読了『なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学』

なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学

なぜこの店で買ってしまうのか―ショッピングの科学

売店にアドバイスなどを行う
コンサルティング会社の社長が著者。
結構古い本で日本語版は2001年初版。


売店にカメラなどを設置し
消費者の行動から、店の改善点を探るという
フィールドワークを得意とするようです。
ここで提示されるのは、店がいかに
無知で消費者への配慮に欠けるのか、の具体例。
お店の人だって、一消費者でしょうに!


高齢者向けの商品が、体をかがめないと取れない最下段にあったり、
レジ待ち向けの人のパンフレットが、
列から手に届かないところにあったり。
そもそも、目的があって店に来たお客は
まっすぐ商品のところへ向かうのであって、
その間に、店の売りたいものを置いても見向きもされない・・・等々。


面白かったのは、男女別の買い物傾向。
大抵の男は、女性の買い物に付いて行くのを嫌がりますが、
その理由の一端が少し分かったような気がしました。
それはスーパーマーケットでの買い物の話(130ページ付近)。

買い物リストを携帯している客を数えた。
女性はほぼ全員がもっていた。
男性は四分の一以下だった。

これが男性の買い物に思慮に欠けた奔放な行動を取らせ
さらに

家計の見張り番である妻は、夫を付き添いなしで
スーパーマーケットに送り出すような真似はしない。
品物をのせる車を彼に与えれば
それがただのショッピングカートであっても、
買い物という体験のなかで男っぽさを発揮させる結果となる。


父親に子供を二、三人加えれば、
致命的な組みあわせのできあがりだ。
男はダメと言えないことで悪名が高い。
食糧入手作戦が敢行されるときは特にそうだ。
つまるところ、父親たることには供給者たることが含まれているのだ。
それは男の自己イメージの中心に位置するのである。

なるほど!!
男は買い物の最中であれ、男っぽさを示そうとするんですね。
だから、行きつ戻りつしながら買い物をしたり
するのをイヤがり(決断力こそ男っぽさだ!=笑)、
1円、2円の違いを見たり消費期限をチェックして
買い物をすることが苦手(スパッと手に取って買って帰るのが男らしい?)。
ということでしょうか。


そして、

スーパーマーケットでいつも現われる男のだらしない振る舞いがもう一つある。
レジを撮影したビデオで何度も目にしたことである。
ほとんどつねに、男が支払いをするのだ。
男と女が一緒に買い物をしてる場合はとくに、男が財布から札を抜き出す。

こういう見栄(?)も出てくるというわけですか。
原始時代から続く、狩から獲物を持って帰る責任者は男だ、
ということ??
何となく、そうしたくなる気持ちは分かります(^^;。