リーマンブラザーズ破綻

リーマン兄弟社が破綻したようです*1
ニュースを読んで「ほぉ」と思いました。
米国証券第四位というのは、日本で言えばどこでしょう・・・?
昔でいえば山一みたいなもんでしょうか。
まあ、四位でも日本一位の野村の二倍とからしいので
規模は大きいようですが・・・。


それにしても、山一などの破綻とは大きく違うのは
サブ・プライムでも噴出した他社・他国への波及性。
一社が、それも四位の会社が破綻して起こる
市場が感じる”恐怖”の連鎖。
単純にワタシなんぞは
「金融の脆弱性」ということを思いました。
風評でその日のうちに60%下落するなど、
金融は”砂上の楼閣”という思いを強くします。


そして、業界が繋がり過ぎていて、
一社が倒れると他社も一斉に危機に陥る。
このようなことは製造業ではあまり聞かない話です。
たとえば、雪印乳業が破綻したからと言って(失礼!)
全乳業会社が破綻の動揺にさらされることはない。
どっちかと言うと、他社は「特需だ!」と言って活況になったりする。
需要が起こる(移る)ことで、他社は供給能力を増やし
結果的には不足になった供給は、他社によって補完される。
基礎的な経済の動きが見られることでしょう。
それが金融では働かない。


その辺りが、どうも昨今の金融というものの特殊性になっているように思えます。
製造業的にシンプルに考えれば、
金融一社が破綻した場合では、取引のある人は困るでしょうけど、
本来的には他者は困らない(はず)。
なのに、
リスク分散を旗印にしたデリバティブなど各種金融商品のミクスチャーは、
逆に不安を煽ることになっている。
芋づるの”つる”がどこまで続いているのか分からない。
そこが恐怖の源泉。
市場を煽るのは「恐怖」か「利益」というわけですね・・・。


さらに単純なワタシの思考を白状すれば、
金融のパニックは、とりあえず最優先課題ではないんです。
人間が生きるに当たっての、食糧・エネルギー・生活物資の供給などが
問題なく行われていれば、人間の生死には大規模には影響しない。
極言ですが、
人間は「金融」がなくても生きられますが、
食糧・エネルギー・生活物資(他にもあるかも)がなくては生きられない。
これらの供給が(ワタシの感覚では)二次的な「金融」によって
妨げられることの方が問題であります。


「金融」は経済の潤滑油であることは理解しますが、
最近は、その潤滑油が原油価格の高騰など、
人間の必需品を弄ぶようになり、その影響は大なるものがあります。
エネルギーの供給に不安が起こると、各地でのデモなどが示す通り
人間の生活に(特に途上国など)直接打撃を与えることになる。
そうまでして「金融」の利得を得るのは許容されるのか?
潤滑油がそこまでやって良いのか?
疑問に思います。
もしかしたら、現在のような資本主義は
修正されなくてはならないのかもしれません。
この”潤滑油”のパニックにより、人間生活に必要な
エンジンそのものがおかしくならないことを
現段階では切に祈るのみです。


勝手なイメージですが、金融の方々は
頭が良く、高給取りなイメージがあるので、
是非その良い頭で解決策を考えて頂きたい(笑)。
デリバティブなどを計算できたのなら、ダメージコントロールくらい
できるでしょ?(笑)


トップの写真は2005年にニューヨークに行った時に、撮ったビル。
外壁に絵が流れるのが面白くて撮ったら
どうやらリーマンの本社(?)だったらしい。
最近テレビで良く映ってたので
「どっかで見たビルだな・・・」
と思って過去の写真をあさったら、ありました(^^;。
ちゃんと「LEHMAN」って流れてた(笑)。

*1:どうでも良いですけど、兄弟社というとメンターム近江兄弟社を思い出します。あそこの英語名はオウミ・ブラザーズなんでしょうか?=笑