読了『世界一受けたい日本史の授業―あなたの習った教科書の常識が覆る』

受けた授業の知識はもう古い?!次々変わる日本史の常識。

世界一受けたい日本史の授業 (二見文庫)

世界一受けたい日本史の授業 (二見文庫)

以前、大学の他学部履修だったか何かで
歴史の講義を受けたことがあるんですが、
ほぼ一年講義が終わったところで、講師が


「今まで教えたのは、今段階での歴史。
 歴史は新しい史料が出てくるたびに塗り替えられる」


と一年かかった大きなオチをかましてたことを思い出しました(^^;。
でも、確かに歴史は史料の発見、研究の進展によって変わっていくものです。
例えば、エジプトのピラミッドは「王家の墓」と言われていましたが、
今では信じられないことに「公共事業説」が結構有力視されたりします。
このように、
世界的に歴史は、時代によって見方が変わって行くのでしょう。


さて、この本では文庫と思えぬ分量で
最近の歴史の教科書には、どんなことが書いてあるか紹介されています。
一番変化が大きいのは古代史で、いつから日本に人が居るのか、とか
その辺りは結構大きく変わっているようです。
特に、明石原人、牛川人、三ケ日人などは全て旧人ではなく
より新しい「新人」や牛川人に至ってはナウマン象の骨だったそうで。
原人・旧人の骨は日本出土のものはなくなってしまった・・・という話にビックリ。
結構、大きい変更だと思うんですが知りませんでしたよ(^^;。


一部は『歴史群像』か何かの雑誌で知っていたのですが、
最近、歴史上の人物の肖像画が次々変わっているみたいですね。
例えば、聖徳太子像。

太子の死後100年くらいに描かれたもののようで、
想像図ではあるらしいです。


他に源頼朝像。

源頼朝と言うと、この肖像画が思い浮かびますが、
この肖像画も描かれたのは鎌倉時代末期。
モデルも、足利尊氏の弟・足利直義という説があるようで確定はしてないようです。
確定してないので、10年くらい前の教科書からは「伝・源頼朝」と
源頼朝と伝わる絵」くらいの意味に書きかえられてるとか。


こちらは、ワタシが教科書を読んでいた頃は
足利尊氏として教わりましたが・・・。

現在では、細川頼之高師直高師詮など諸説があるようです。


そして最後に武田信玄

どうしても、このイメージですが、
同じ戦国大名畠山義継(伊達家と抗争した二本松義継のこと?)という説があるとか。
そういえば、最近
武田信玄と言えば、こちらの肖像画が使われることが多いですね。


著者は、テレビ『世界一受けたい授業』にも出てきてる人で
非常に歴史オタクであるらしいです。
特に、美術史のビックリに対して

それにしても、(尾形光琳の)『紅白梅図屏風』に金銀の箔が使われていなかったなんて、まったく驚きですね。

とか書かれても、
紅白梅図屏風』すらパッと思い浮かばないワタシからすれば
まったく共感できないんですね(笑)。