稲葉なおと『0マイル』読了

0マイル (小学館文庫)

0マイル (小学館文庫)

作者は建築士さん。
建築士さんの書く小説かぁ〜と侮るなかれ。
いや、白状するとワタシが侮ってました(^^;。


一発当てて以来、鳴かず飛ばずの写真家と
小学生の息子がアメリカのマイアミを撮影二人旅をすることに。
子供を連れての撮影にイライラする父親、
親の顔色を伺いながら旅をする息子・・・。


途中、ご都合っぽい展開のところもありますが、
写真家のアポイントの箇所とか見事にだまされましたよ。
やりますね、稲葉さん。


父と息子の関係って
「微妙な距離感」と「衝突」と「和解」なのかもしれません。
息子は父親を乗り越えるべき目標とし、
遠すぎると相互不理解になり、近づき過ぎると衝突し・・・
お互いに意識しながら、距離のある感じ。


それが真正面から向かい合えるのは
この小説で語られるように、息子が小学生くらい迄なのかもしれません。
ここでシッカリ、父と息子は向き合わなくてはならないのかも・・・
と思わせてくれる本になりました。


もう始めは、こんな感じで大丈夫なのか・・・と思う立ち上がりでしたが、
後半は結構よかったです。
我慢して読んでみてください。