静岡おでん考・まとめ

静岡の人は「おでん中毒」か何かで、
どこでもおでんが食べたくなる気質か何かでしょうか。
もう街のあちこちでおでんが食べられます。


こんな状態の静岡ですから、
コンビニがおでんを提供し始めた時には
「遅せぇ〜よ」って思ってたかもしれません。
それだけ、街のおでんの普及度は、静岡が随一のような気がします。


あまりに溶け込み過ぎてて、
ワタシのような観光客がおでんを目指して食べに来ると
「わざわざ”おでん”食べに来たの?なんで?」みたいな
不思議そうな顔をされることもありましたが、
珍しいからですよ!と答えたい。
これだけ市民に愛されて溶け込んでいるというのは、とても珍しいと思います。


随分と長くなりましたが、
「おでん」の三文字の中に
宇宙的な広がりを感じて頂ければ幸いです(笑)。


いかにも観光客目当ての

こんな感じのお店もありますけどね。

ワタシの一押し、茶店系おでん

お店紹介もこれで最後です。
実は、このお店はあまり紹介したくないんです・・・。
大のお気に入りになりまして、静岡に居る間
駅から遠いのに4回も通ったお店です。


でも、ここで隠したところで
ガイドブックにも大々的に載ってるので隠す意味なし(笑)。


居酒屋系駄菓子屋系、ましてやパン屋系でもない!(笑)
茶店とでも言うべき「おでん屋」さんです。


その名も「大やきいも」さん。

え?
見た目がアレですって?
そこがいいんです!


こちら創業100年以上という老舗。
なんか昔からあるって感じが非常にワタシの心をくすぐり倒すのです。


ただ単に、ワタシが古いモノ好きなだけなんでしょうけど(^^;。

もう「大やきいも」って店名もナンなのっ!と
笑顔でツッコミたくなります(笑)。


店内はこちら。

いや〜、なんか茶店っぽくないですか?
こういう雰囲気、結構好きなんですよねぇ。


おでんの具材もいろいろあるようです。

しかし・・・

どれがどれだか分かりゃしない(笑)。
まあ、これは静岡おでん全般に言えることですが・・・。


せっかくの茶店なので、かき氷と一緒に。
この組み合わせ、結構合います。

冷たいんだか、あったかいんだか(笑)。


おでんの具材は、静岡おでんの特徴である
(手前から)黒はんぺん、しのだ巻き、牛すじです。


ところで、居酒屋系以外のおでん屋では
セルフでおでんを取ると書きましたが、
料金の計算はどうするのだろう・・・?と思いました。
それには、食べた後の串に注目。
(食べた後のモノで申し訳ありません)

串の先端の形状で料金を計算するようです。
とがったのは80円・・・とか。
なるほど〜。


この日(6/27ではなく)『大やきいも』では妙齢のお嬢さんが
一人でふらりとやって来て、セルフでおでんを取って食べていました。
あ〜、こんな風に自然におでんと共生してるんですね、静岡って(笑)。

パン屋でおでん?!

ジャンル分け不能おでん屋があると聞いて訪問。



『メルヘン』さん。
・・・え〜と。
どう見てもパン屋さんです。
ガラスにも「焼きたて手づくりパンの店」と書いてあります。


近づいてみます。

やはり・・・パン屋ですが・・・。


もっと近づく・・・。

ん・・・?
んんん???
お店の右側に「おでん」の文字が・・・?!


角を曲がると・・・。

で、出た〜!
おでん!
なんですかっ、この二枚看板のお店!


こっちの角度から見ると、完全に「おでん屋」(^^;

二重人格って言うのはありますが、二重看板ってのもあるんですね(^^;。


「おでん」側の看板はこんな感じ。

完全にパン屋ではないです(笑)。
お持ち帰りも可能(笑)。


おでんを食べるので、おでん屋から中に入ります。

ありました・・・おでん鍋。


振り返ると・・・

向こうはパン屋です(^^;
繋がってます。
完全に繋がってます。
なにこの不思議ゾーン・・・(笑)。


とりあえず、おでんを選びます。

静岡おでんは、駄菓子屋系のお店ではセルフで
具材を取ります。
それは良いんですが、黒過ぎて具材は見えない・・・。


今回、「なると」を選びましたが・・・

なるとの切り方って、これで合ってます???(^^;
なかなか見ない切り方のような気がします(笑)。


書き忘れましたが、おでんに青海苔みたいなふりかけをかけるのも
静岡おでんの特徴の一つです。


せっかくの「パン屋&おでん屋」の「ジキルとハイド」なので、
パンも一緒に買いました。

おでんとパン・・・。
他の地方では絶対見ない組み合わせのような気がします・・・。
あ、コンビニで「おでん」と「パン」を買えば普通か?
いやいや、そんな人見ないよ(^^;。
何が普通なのか分からなくなる、ミステリーゾーン(笑)。


ちなみにパンは普通のコロネと静岡名産のマグロを使った、
マグロ・メンチカツ・バーガーでした。


食べ終わった後に、しげしげとメニューを眺めましたが・・・。

おでんの他、
焼きそば、おにぎり、カレーライス、ピラフ、煮込みうどん、冷ソーメン、ところてん、クリームあんみつからトーストまで一店舗の中で供されているそうです。


しかも、ワタシが行った時にはシーズンメニューのかき氷もありました。


うん・・・このお店、色々迷ってると思います。
誰か助けてあげてください。

駄菓子屋でおでん?!

次は駄菓子屋系のおでん屋さん。
飲み屋でおでんって言うのは他の地方でもよくあると思うのですが、
駄菓子屋でおでんというのは、静岡ならでは。


今回お邪魔したのは、ガイドブックにも載ってる
『水野菓子店』

え〜と、ガイドブックの名前とは異なり、
『水野商店』と書いてありますが、お菓子屋さんがメイン・・・のはずです(^^;。
一応、看板も
菓子おでんジュースの順(笑)。


店の外観です。

「おでん」の暖簾が・・・。
うーん・・・最近は菓子からおでんにシフトしてるんでしょうか・・・。


中に入ると、お菓子は一棚だけ。
袋入りのスナックが中心。ジュースも店頭の自動販売機がメイン(笑)。
店の奥におでん鍋と座席が少々。

全体的に商売っ気は薄めです(^^;。


しかし!これです!この価格!

1本=60円〜70円。
100円以上の具材はありゃしない!
この価格帯は、いかにも駄菓子屋。
子供の味方!(この日、子供は見かけませんでしたが)


頂いたのはこちら。

やっぱり黒はんぺんは外しませんでした。


こちらの女将さんは、なんか田舎のお婆ちゃんを思わせるような
ほっこりした人。
長年、静岡に住んでいながら富士山には登ったことがなく
「いつでも登れると思うとねぇ・・・」
と言ってました。
都民が東京タワーに登らないのと同じ感覚?(^^;


女将が静岡の食で一番好きなのは「由利の桜海老(生)」だそうで、
一年に一度、シーズンになると必ず食べに行くそうです。
好きなもの、おでんじゃないんだ・・・(笑)。

王道「青葉おでん街」

広島には「お好み村」があるように、
静岡には「おでん街」があります。


静岡おでんは、「居酒屋系」と「駄菓子屋系」との
二つに大別できるとのことですが、「青葉おでん街」は居酒屋系。



これは昼の姿。
夜にもなると、明かりがともり
非常に情緒ある飲み屋街となります。

一軒一軒は10人も入れないこじんまりしたお店。
その玩具のような、屋台+αのようなお店が十軒以上並んでいます。


今回は『藤の家』さんにお邪魔しました。

先客は3名ほど。


静岡おでんの特徴は、その出汁の黒さ。
沈んでる具材は、何なのか分からないほど(笑)。

いや、見えてる具材も色が黒過ぎて
形で見分けるしかない(^^;。


静岡おでんらしい具材。
「黒はんぺん」

鰯などの練り物。
黒い出汁なので、さぞかし濃いぃ〜味がするかと思いきや、
味は濃くなく、鰯の味がしっかり。
こちらの女将さんは、鰯の味がしっかりする
あまり漬けすぎない黒はんぺんがお好きとのこと。
豆知識でした(笑)。


こちらは大根。

もう夏休み明けの子供のように真っ黒。
でも、味は濃くない(薄くもないけど)。


こちら『藤の家』さんは女将さんが面白かった!
当意即妙。
そうかと思うと、太平洋戦争中の旧・清水市が米軍の艦砲射撃を受けた話とか・・・。
その際、位牌以外の財産を持っていかれたとか、
そんな話を先客の方々を交えてしつつ、おでんを頬張る。
そんな経験 Priceless(笑)。